内科学会雑誌 2018年10号 102巻

内科学会雑誌 2018年10号 102巻

読みどころ

・老年症候群 (geriatric syndrome)
・高齢者総合的機能評価 CGA (comprehensive geriatric assessment)
→ 簡易版 CGA7
①意欲: 挨拶
②認知機能: 復唱
③手段的日常生活動作 IADL: 「どうやってここまで来ましたか?」「普段、バスや電車や車を使ってデパートやスーパーに出かけますか?」(付添が必要かどうか)
④認知機能: 遅延再生
⑤基本的ADL BADL: 入浴「お風呂は自分ひとりで入って、洗うのに手助けは要りませんか?」
⑥BADL: 排泄「失礼ですが、トイレで失敗してしまうことはありませんか?」
⑦情緒・気分: 抑うつ「自分は無力だと思いますか?」

BADL評価:
1 着衣「一人で着替えができますか?」
2 摂食「食事は一人で食べられますか?」「食事に介助が必要ですか?」
3 移動「手すりなど掴まらずに歩けますか?」「一人で散歩できますか?」「杖を使用していますか?」
4 排泄「トイレまで行けますか?」「リハビリパンツを使用していますか?」
5 衛生・入浴「入浴は一人でされておられますか?」「歯磨きは?」

IADL評価:
1 買い物「買い物で困ることはありませんか?」
2 家事「掃除、洗濯は一人でしていますか?」
3 金銭管理「お釣りの計算で困ることはありませんか?」
4 炊事「自分で食事の用意はできますか?」
5 乗り物での外出「公共交通機関は利用していますか?」

介護保険の主治医意見書「認知症高齢者の日常生活自立度」判定評価
買い物、金銭管理、服薬管理、電話の使用等IADLに障害があるとランクⅡ(一人暮らしができるか否か)
着替え、食事、排泄、排尿等BADLに障害があるとランクⅢ(屋内生活の自立度)

・CGAを何に活かしたいかという目的を明確にし、患者本人の負担に留意する

・予定外の緊急入院の際、多職種チームでCGAを行う病棟の患者では、在宅復帰率が高まり、施設入所せずに在宅生活が維持される割合が高いと報告されている。
・CGAが単なる評価のみに終始し、適切なケア計画が実施されない可能性も指摘されている

・検診における検査結果よりも、CGAの方が健康寿命喪失を予測可能

●フレイル
Ⅰ 身体的フレイル サルコペニア
2 精神・心理的フレイル うつ病や認知症
3 社会的フレイル 社会的問題などでストレスに対する脆弱性が亢進

歩行速度低下や歩行障害を有するフレイル患者と高血圧を有する患者では、血圧高地が生命予後を悪化させないとする観察研究

●認知症
高齢発症タウオパチー
1)神経原線維変化型老年期認知症 (SD-NET)
症状は長く記憶障害にとどまり、他の認知機能や人格は保たれる。進行はADに比べて緩徐。長期間をかけて、見当識障害やその他認知機能障害も認められるようになる。いわば、高齢発症の緩徐進行型AD類似疾患もしくは脳老化が加速された病態。事実、百寿者の脳にみられるNFTの分布はSD-NETと類似している。
ADを除外するためには髄液検査やアミロイドPETが必要。そのような検査がおこなわれなければADと診断される。剖検例で頻度は1.7-5.6%、90歳以上で20%以上。
MRIでは側頭葉内側部の萎縮がみられる点でもADと類似。

2)嗜銀顆粒性認知症 (AGD)
高齢発症、記憶障害で始まり、進行は緩徐、進行すると頑固、易怒性、被害ん妄想、暴力行動等の行動・心理症状がみられる。MRIでは側頭葉内側部後方領域の萎縮が目立ち、左右差があることが特徴とされている。高齢者における頻度は5-9%と推定される。
髄液AD検査は陰性。


●患者サマリー 「ストックカルテ」の例

認知症学会誌 2019年2号

認知症学会誌 2019年2号

読みどころ

この号は、認知症の看取りについての特集がある!


・ADの7段階の経過、FAST (Functional Assessment Staging)
・米国老年医学会「死を間近にした患者は空腹や喉の渇きを覚えない」「経腸栄養も輸液も実施しないほうが最期の段階の苦痛が少なくて済む。死が迫った高齢者に胃ろう造設すべきではない」(Austrian Government National Health and Medical Research Council, 2006)
・人工的水分・栄養補給法(AHN: artificial hydration and nutrition)を行わないことは、餓死させること、ではなく緩和ケア
・日本では、AHNは食事の代替であり、その提供はケアの象徴を認識されることが多い


・多発性硬化症と認知症、橋本脳症と認知症、はたいせつ

認知症学会誌 1701 メモ

認知症学会誌 1701 メモ

過活動性膀胱OABの抗コリン薬で認知機能が低下する可能性が考えられている。
前立腺癌治療薬が認知機能を悪化させる可能性が示唆されている。証拠まだなし。
H2 blocker の認知症への影響。5年間の観察研究で、持続使用で34.2%、簡潔使用で19.4%、非使用者で17.0%。オッズ比2.42(1.17-5.04)。

パーキンソン病診療ガイドライン2018 メモ

日本神経学会
パーキンソン病診療ガイドライン2018
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/parkinson_2018.html

気になったところメモ。

・パーキンソン病の運動障害。無動akinesia(もしくは運動緩慢bradykinesia)が主要症状。振戦tremor、(筋)強剛rigidityをあわせて3大症状。姿勢保持障害loss of postural reflexを加えて4大症状。前傾姿勢flexed postureとすくみ現象freezingを加えて6大症状。3大症状は多くの患者で左右差があり優位側は病歴を通じて不変であることが多い。

・発症時に振戦があるのは69%、全経過中で振戦を呈したものは75%。
・両手を前方水平に挙上すると振戦がいったん消失し、数秒~数十秒の潜時の後に再び現れるものがre-emergent tremor。潜時がみられない本態性振戦との鑑別に有用。

・rigidityを「固縮」と訳したのは昔。現在は「強剛」。軽微なときは対側の運動で増強・誘発される事がある。

・姿勢保持障害は病初期にみられることはほとんどない。例:後方突進現象
・姿勢異常。立位静止時あるいは歩行時に前屈。進行で悪化。
・タップ運動や歩行で動作速度が加速する加速現象や、動作開始時や途中で停止してしまうすくみ現象。

・PDの中核症状は運動症状だが、ほとんどの患者で非運動症状がみられる。

L-ドパ
・数ヶ月以上の中・長期投与においては、ジスキネジアやウェアリングオフなどの運動合併症がMAOB阻害薬やドパミンアゴニストより誘発されやすい
・L-ドパの投与量と投与期間に依存して運動合併症の出現率が確実に上昇する。
→ ドパミンアゴニストなどの他剤を併用しつつ、可能な範囲でL-ドパの投与量を低用量に抑えることが重要。

・PDとと診断されて治療開始後、約5年で50%の患者で運動合併症(ウェアリングオフ、L-ドパ誘発性ジスキネジア)が生じる。

・MRIで、PDよりMSAが疑わしい所見。比較の萎縮、矢状断での橋底部の萎縮、軸位でのT2強調で橋の十字サイン、小脳皮質の萎縮、中小脳脚の萎縮やT2での高信号、SWIで被殻後部や視床枕の低信号、T1強調画像で被殻後部の高信号、T2強調で被殻外縁に線状の高信号
・PDよりPSPが疑わしい所見。中脳被蓋部の形態(hummingbird appearance)。中脳の前後径、中脳/橋の面積比率、MRパーキンソニズムインデックス、上小脳脚の萎縮・FLAIRでの高信号。
・CBDが疑わしい点。前頭葉や頭頂葉の萎縮の左右差(ただまだ検証の余地あると)

・DATスキャン: 黒質線状態の変性を伴うパーキンソン症候群(PD、MSA、PSP、DLB)と、伴わない疾患(本態性振戦、AD、VaD、健常者)の感度・特異度およそ9割。臨床的にPD診断基準を満たす患者のおよそ1割に線条体での集積低下を認めない症例scans without evidence of dopamineragic deficit (SWEDDs)がみられる。2年フォローして半数は別の診断になった報告はあるが、やはり偽陰性もありうる。
DATは年齢だけでも減少する。SSRIは偽陽性につながる。

・脳血流シンチ: 
PD:後頭葉、頭頂葉、前頭葉、両側の後部帯状回、楔前部、前部帯状回に血流低下が起こりうる。特に後頭葉の血流低下がPDに特徴的。
FDG-PET: 糖代謝と脳血流の高い相関がある。PDでは被殻/淡蒼球、運動・感覚野、橋、小脳では代謝が増加し、頭頂葉・後頭葉・前頭前野では代謝が低下する。
MSAでは被殻(特に後部)・小脳皮質で代謝が低下。
PSPでは内側前頭前野、前頭眼野、前頭前皮質腹外側部、尾状核、内側視床、脳幹上部で代謝が低下。

・経頭蓋超音波
1995に経当該超音波検査でPDの黒質が高輝度を示すことがわかった。
骨粗鬆症がある高齢女性では観察困難例が多い。
PDで約9割陽性、健常者約1割陽性、MSAとPSPで約3割陽性、本態性振戦約1割、血管性パーキンソン症候群約2割。

・ドパミンアゴニストで治療を開始するほうがL-ドパで治療を開始するいより運動合併症の頻度は明らかに少ないが、運動会全土はL-ドパで治療を開始した方がややよい
・現実には、ドパミンアゴニストのみで治療が可能なのは3年程度
・5年目まではアゴニストが明らかによい。7年程度経てば、どちらで開始しても結果は同じ。

・薬剤性パーキンソン症候群。運動緩慢、筋強剛が中心。静止時振戦は少なく、症状の左右差も少ない。しかし、潜在するPDが薬剤で顕在化することもあり、臨床症状のみで薬剤性と診断することはできない。60%は原因薬使用開始1ヶ月以内、90%は3ヶ月以内に発現する。10年以上の服薬後に発現することもある。

カルシウム阻害薬やH2ブロッカーでのPDには注意が必要。
数日、数週単位で急速に進行するパーキンソン症候群は薬剤性を疑う必要がある。長期服用している薬であっても。

・悪性症候群、抗PD薬の減量・中断で起こる。ストレスでも起こりうる。脱水、発熱、感染症、顕著なウェアリングオフ、脳深部刺激療法など
・予防は、脱水や薬物中断を避ける
・軽症例は十分な飲水、補液・冷却
・重症例は抗PD薬の増量、タンドトロレン点滴
・PD患者の突然の発熱・大量発汗では鑑別に

・抗PD薬内服が困難な時、L-ドパ/DCI配合剤100mgにつき、L-ドパ50-100mg程度を静脈内に1~2時間かけて点滴投与する
・L-ドパ内服を静脈内投与に切り替えたときに正確な換算用量・換算式に関する十分なエビデンスはない
・L-ドパ注射剤は、本邦では添付文書上1日量が50mgまでとなっている。運動症状のコントロールについてはまったく不十分である。不十分なL-ドパ静脈内投与で手術後に悪性症候群を発症したとの症例報告がある。


・L-ドパ誘発性ジスキネジア。Peak-dose ジスキネジアと、diphasicジスキネジアとがある。後者は頻度は低い。治療開始4-6年で1/3に現れる。
Peak-doseジスキネジアはパーキンソニズムのオン時に現れ、L-ドパ血中濃度の高い時期に一致する。顔面・舌・頚部・四肢・体幹に舞踏運動として現れる。粗大に上下肢を動かすバリズム様であったり、ジストニア様の異常姿勢が目立ったりすることもある。
diphasicジスキネジアは、L-ドパの上昇期と下降期に二相性に出現そ、オンの間ジスキネジアは消失している。下肢優位に出現し、反復性のバリズム様の動きやジストニアが目立つことが多い。
脱神経したドパミン受容体への波状のドパミン刺激が重要な機序であると考えられている

・PD姿勢異常
前傾・前屈姿勢
体幹屈曲(腰曲がり): 座位や立位・歩行時に目立ち、臥位で消失する。1割前後のPD患者にある。薬物で改善する。
斜め徴候
首下がり、頚部前屈症: MSAよりは頻度は少ないがある。

・嚥下障害

・PDのレム睡眠行動障害。経験的にクロナゼパム 0.5-2.0mgが有効と考えられている。

アルコール問題早期介入ツール

医療者側が知識を習得して本人に説明する必要はなく、説明は全てウェブがしてくるため気軽に使用できる。

https://www.udb.jp/snappy_test/

・SNAPPY-CAT
ウェブ上でアルコール使用障害のスクリーニングテストであるAUDITを行い、年代と性別、点数に応じて個別性の高いフィードバックを行うツール。

・SNAPPY-PANDA
自らの飲酒量をゲーム感覚で簡単に計算できるツールです。飲酒運転をしないためにも重要。

・SNAPPY-BEAR
ユーチューブ形式のナレーション付きの1,2分のスライドで、アルコールと心身の健康について学べる。

・SNAPPY-LION
LINEでアルコールに関する○×クイズがチャットボット形式で出来るツール。

『人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を超えて』

『人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を超えて』
加藤茂孝
2013年
丸善出版株式会社

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「ものを怖がらなすぎたり、怖がりすぎるのはやさしいが、正当に怖がることはなかなか難しい」(寺田寅彦 随筆「小爆発二件」)
「天災は忘れた頃にやってくる」(寺田寅彦)

●天然痘
一万年前にはヒトの病気?
インド起源?
日本には仏教伝来の6世紀半ばに輸入されたとされる(552年または585年)

天然痘による失明は多かった。あばたとともに
日本に来たイエズス会のルイス・フロイトは、日本にはヨーロッパと比べて全盲者が多いことに注目している。
有名人: 独眼竜伊達政宗 など

藤原道長(966-1028)は二人の兄が天然痘で亡くなったため、栄華を極めることができた。(同世代の一族は天然痘で死亡)

エドワード・ジェンナー(1749-1823)
乳搾りの女性サラ・ネルムズにできた牛痘を近所のジェイムズ・フィリップスに最初に接種。次男への接種はその後。
小疱瘡と呼ばれる軽症の天然痘を最初に長男と2人の若い女性に接種している。
予防法の完成は1796年、論文は1798年。

知識は中国に1805年に伝わっている。この漢訳本が日本で出版されたのが1841年。
長崎出島で話が伝わっていたのは1803年
しかし痘苗がなかなかこなかった。
公式な最初の痘苗は1849年。
緒方洪庵(1810-1863)は適塾で種苗を行い、普及させた中心人物。1863に西洋医学所の頭取となったが病で急逝する。

天然痘が撲滅しやすかった理由
・感染すれば必ず発症し診断できる
・自然宿主がヒトに限られる
・効果的なワクチンが存在する

WHOの天然痘根絶の秘訣
1) ワクチンの品質保証
2) 患者周辺の免疫作戦
3) 患者発生国への無償援助

ジェンナーが種痘につかった牛痘は繰り返してつないだ。ワクシニアウイルス。もとの牛痘ウイルスとはかなり異なる。遺伝子の運び屋として現在は使われる。

1876-1955に消えるまでの統計に残る日本の致命率は27.2%。

最後の天然痘患者は1977年、ソマリアにて発症

橋爪株: 日本で開発された改良ワクチン。まれな脳炎などの重篤な副反応を抑えた。

●ペスト
1347-1353、ヨーロッパで史上最大規模で流行し全人口の1/3が死亡した

本来ネズミの感染症

ヨーロッパの最初の流行の記録は541。60年間流行を続けた。最盛期にはコンスタンチノープルで毎日5千~1万人死んだ。

1032年、インドからペルシャに広がった流行があった。十字軍が感染クマネズミを持ち帰った。

14世紀はモンゴル軍がヨーロッパに広げた。1241ポーランド、1243ウクライナ~ロシア・中央アジア北部、1258中東~中央アジア南部。
ソレに先立ち中国で大流行。1333旱魃と飢饉、1334悪疫。これがペストだったと考えられている。

1348にはアルプス以北のヨーロッパにも伝わり、14世紀末まで3回の大流行と多くの小流行を繰り返した。
人がいなくなり、多くの社会体制が変革された。

1727年、ドブネズミが東から西へ大移動しているのが確認された。この後ヨーロッパにドブネズミが広がり、先住ネズミクマネズミが追い出され、ヒトと生活域が少しかわり発症が減った。

日本には1899に初めて侵入するもネズミを買い上げることで封じ込めに成功した。

デカメロンはペストからの逃避の物語。

当時医療行為を担っていた聖職者達もペストに対して全く無力だった。
→ 正統的な教会組織に対する幻滅の感情 → 個人的な宗教的熱情 → 宗教改革

ペスト菌を最初に発見した一人は北里柴三郎。そして、血清療法・破傷風菌の純粋培養
パリ・パスツール研究所のアレクサンダー・エルさんもほぼ同時に独自に派遣。

2600年以上前の中国が起源とされる


●ポリオ
日本は野外のポリオウイルスがなくなるという「根絶」を世界に先駆けて実現した。
1961年、日本ではポリオが社会的な問題になっていた。アメリカの不活化ワクチンか、ソ連の生ワクチンか。後者は安全性確認されておらず、冷戦もあった。それをおしての緊急輸入の効果だった。1300万人を越す小児に一斉投与。
1980年以降、野生株ウイルスによる発症患者はゼロ。

接種日を決めて全国的に一斉接種を施行する戦略はNIDs。
これ以後、ポリオ世界根絶計画のWHOの中心戦略

自然宿主はヒトだけ。
四肢すべてが麻痺するのは患者の3%。

医学的な記載は1840年が最初。
19世紀後半から20世紀前半にかけて大流行を起こすようになった。
日本には明治後期から流行がみられるようになった。ほぼ10年おきに大流行。1960年の北海道発、5606人が史上最大の大流行。


ポリオは感染者の0.1-1%しか麻痺症状を出さない。

ポリオには3つの型。2型は1999年を最後に根絶された。
感染症の根絶は平和な環境が確保されないと極めて困難。

「(日本)国は国産ワクチンを作るとしながら、規模の小さいメーカー任せにし続けた。無責任と避難されても仕方がない」
(開発時の平等主義・横並び主義と、国家としての明確なワクチン戦略がなかったことと。日本のメーカーは中小企業が多く産業基盤が弱い



参考の映画 『我一粒の麦なれど』


●結核
牛などの反芻動物からヒトに入ったと考えられている

日本で見つかった最古の結核患者 BC 300~ AD 300の間の遺跡から脊椎カリエスで曲がった脊柱が2例。これ以前は見つかっていないので弥生人により持ち込まれたと考えられている。

明治初期の日本から英国への留学生は、英国で結核を得て、学半ばに帰国したり、亡くなったりするものが多かった。

サナトリウムの死亡率は低かった。非常に高価な場所だった。

感染者の大部分は症状を出さず、無症候性、潜伏感染が一般的。潜伏感染の1/10が最終的に発症する。

BCG: 牛型結核菌を弱毒化したもの
丸山ワクチン: ヒト型結核菌からタンパク質を除去した後、抽出したリポ多糖(LPS)を主成分とする

AIDSの最大の死因の一つは結核。


●麻疹(はしか)
戦後までは麻疹が多くの人の失明の原因となっていた

ウイルスは牛から

もがさ: 天然痘
赤もがさ: 麻疹

日本で間違いないとされる第一回目の麻疹の流行は998年。藤原道長の絶頂期。彼の一族はそれで死んでいく。

「痘瘡は見目定め、麻疹は命定め」(江戸時代)

異本の歴史資料では、天然痘の流行は15-20年、麻疹は25-30年。いずれも輸入感染症。江戸時代だけでも麻疹は13回大流行。中でも1862年には大被害で、アドだけでも239,862名の麻疹による死者が寺から報告されている。1858年の開国時のこれら大流行のわずか4年後。

1853関東大地震、1854下田地震、1855江戸大地震

(感想: 日本の鎖国は感染症から日本人を守るために有利だったのだな。漢方はその流行に手をこまねいていたことは認識すべし)

不活化ワクチンは免疫の持続が長くないので生ワクチンが必要。ウイルスの増殖を何世代にも亘ってくりかえし病原性を無くしていく。

麻疹後脳炎は1/1000に出現、1/数万~10万にSSPE

日本のパルボワクチンは無菌性髄膜炎の出現率が米国よりも高かった、つまり弱毒化が不十分だった。そのためMMRワクチン騒動につながった。

水痘ワクチンは日本人が1974年に開発した世界に1種類しかない弱毒ワクチン。開発国の日本で使われることは少なく、米国ではMMRVとして90%以上の幼児に接種されている。

米国は、ワクチンを打たない、入学禁止には宗教のこともあり禁止はできないが、感染した場合の責任は確認させられる


ポリオのようにRNAでもプラス扇子であればそのまま遺伝子RNAを細胞に入れれば感染性が発現されてウイルス粒子が作られる。そのRNAをDNAに逆転者すれば、突然変異を自由に組み入れることができる。
マイナスセンスRNAは、一度マイナス鎖をプラス鎖にする過程が入るので研究者は皆苦労していた。

「2度なし病」 免疫がある程度減少してくると、症状は出さないが感染していることがある。一定間隔の流行がアレアこのブースターを繰り返し高い抗体価を生涯維持していた。
ワクチン接種により流行を小さくしたり無くしたりするとブースターはかからなくなる。

麻疹ウイルスの感染力は強いので、感染を逃れて成人するのは極めてまれである。


●風疹
発疹などの症状が麻疹に比べて3日と短い
宿主はヒトしか知られていない。

かつて。男女の全幼児に接種するという米国方式、女子中学生にのみ接種するという英国・日本方式。10年後には、米国ではCRSがゼロに近くなった。英国・日本では患者数は少し減っても、流行の主体である幼児は野放しだったので、流行はそれ以前のように周期的に起こり、CRSも減っても続いた。

風疹は、北半球では春先に流行する。かつては5年程度の感覚で全国規模の流行が繰り返された。小児へのワクチン接種によって散発的に成っている。

一般にワクチンが小児に普及すると患者年齢が上昇する。不十分な接種率では、流行も完全には抑えていないので、風疹の場合には妊婦感染の機会もかえって増えることが起こりうる。ギリシャでは1994年に、ワクチン導入前よりもCRSが増える悲劇が起こった。

接種してから妊娠がわかったような、誤ってのワクチン接種が800例報告されているが、CRSを生じた例はない。風疹ワクチンは生ワクチンであるが、CRSを起こさないほど十分に弱毒されている

感染約14日後に語る症状、発熱、発疹、リンパ節腫脹(耳介部など)。発疹は3日程度と短く出ないことも多い。血小板減少性紫斑病(1/3000-5000)や急性脳炎(1/4000-6000)などの合併症もあるが、これらを含めて一般に予後は良好。

CRS。目の障害は羊水からの直接侵入といされる。開口部分が閉鎖されると発生しなくなるため。

日本のCRSは発症率がひくいとかつてはされていたが、不十分な調査からだった。

現在では感染症に拠る先天性難聴の最大の原因はCMVで20%とされている


●インフルエンザ
中国では感冒とよばれ遅くとも1304年以前に日本に入ってきた言葉。

インフルエンザのパンデミックの条件は、人口の密集・迅速な交通手段

BC 430-427年のアテネの疫病ツキジデス Thuchydidesはインフルエンザではないかとの説、1985 Langmuir

平安・鎌倉時代には しはぶき(咳逆) とよばれた。遅くとも奈良時代に「しはぶき」はあった。

『三代実録』(901年成書) 862-864のパンデミックインフルエンザの記録
『医心方』(984成書)にもしはぶき(咳逆)・しはぶきやみ(咳逆疫)の記載あり

ウイルスが細胞に感染する時にHAを使い、細胞から出る時にNAを使う。
Bは大きくはヒトのみに流行。Cも。

ヒトの肺の奥の一部に鳥型のレセプターを持った細胞が見つかった。鳥の糞の糞あm津を吸い込むような環境にある人に鳥インフルは患者が多くなる。

ベトナム・インドネシア・エジプト・中国は、鳥にワクチンの接種しているために流行が10年も持続していると言われ、ワクチンは停止された。

1918年3月にアメリカで始まったスペイン風邪。


●ウエストナイルウイルス
アレクサンダー大王の死因?

黄熱ウイルスは1927年に初めて分離。その研究過程でWNウイルスは分離された。

フラビウイルス科フラビウイルス属:
デングウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、黄熱ウイルス
日本脳炎ウイルスグループ: 
WNウイルス、SLEウイルス、日本脳炎ウイルス、マレーバレーウイルス、クンジンウイルス

80%は症状が現れない

●補
WHO: 会議運営能力の高さ、効率の良さ。会議目的の設定、事前の準備、まとめの素晴らしさ。

「たとえ明日、主の再臨があろうとも、今日私はりんごの木を植えよう」(マルチン・ルター)
→「たとえ明日、世界の終わりが来ようとも、私は今日りんごの木を植えよう」

認知症学会誌 2018年02

認知症学会誌。2018、02

読後メモ

・アルツハイマー型認知症… 「臨床症状」というアウトプット、しかも、病態からかなり距離のあるものを頼りにして臨床診断せざるを得なかったのが現状である。
・その結果として…1990年代の終わりころから、実際の病理と「アルツハイマー病」という診断の間に乖離がみられる報告が出てきて…

・正常圧水頭症。特発性…晩発性の、脳脊髄液循環動態の異常により脳室の拡大を生じる進行性疾患である
・Disproportionately Enlarged Subarachnoid-space Hydrocephalus (DESH): ①両側側脳室の拡大(A: 水平段における両側側脳室前角最大幅、B: 同じ断面に頭蓋内腔の最大幅とすると、Evan index = A/B > 0.3)、②大脳高位円蓋部の脳溝・くも膜下腔の狭小化、それとは対象的に③シルビウス裂の開大(不均等なくも膜下腔の拡大)のこと。後交連レベルでの前額断で脳梁角が鋭角を示すことが多い
・記銘力の低下に比して、無気力、自分の状態に無関心なことが多い
・疫学は、調査・定義の難しさなどから不明瞭。
・日本のMRI調査では、DESHの頻度は地域在住高齢者の1.6%と推定される →有病率は現在の人口では442人/10万人となる。パーキンソン病は100-120人/10万人
・65歳以上の日本人のおよそ1.1%がiNPHをもつと推定されている。しかし治療を受けているのは10.2人/10万(0.01%)で予想される有病率の10-50分の一
・iNPHで特徴的な画像: 局所的な髄液貯留像
・シャント介入後は一応の改善が得られるものの、速やかにシャント介入した群の介入レベルまで到達せず、シャント介入の恩恵を最大限に得るには、診断語すぐにシャント介入するべきである

日本病院総合診療医学会雑誌 1803

日本病院総合診療医学会雑誌 1803

読後メモ

「わが国における健康食品による健康被害状況」 村田英理 他
・2006-2015年の日本医師会に報告されたデータベースを用いた
・基礎疾患がある率は男性が有意に高かった
・皮膚症状が最多
(以下感想: 
報告数が全体で149例と、おそらくかなり少ない。データベースを利用した報告として価値はあるが、実際のごく一部と想像される。
基礎疾患がある男性が治療補助に健康食品を使う例は確かに頻度が高い。対して女性では基礎疾患がないひとがより健康に美しくなるために健康食品を使う頻度が高いことは臨床で感じる。)

「急性期呼吸促迫症候群を併発したEdwardsiella tradaによる敗血症の一例」 関根一臣 他
・Edwardsiella tradaは自然界に広く分布する、水生生物の病原菌
・ヒトには、加熱せずにE. tradaに感染した魚類を食べて鳥瞰から感染することがある。通常は抗菌薬を使わずに警戒する胃腸炎となるが、免疫能が低下したヒトでは重症化することがあり、高い死亡率がある(敗血症は死亡率38%、皮膚感染症をきたした場合は83%との報告あり)。
・本例(83歳 女性)は左臀部~下腿に蜂窩織炎様所見を伴って入院、菌血症あり、抗菌薬感受性は良好だったが、ARDS・多臓器不全を続発し死に至った

「原発性胆汁性胆管炎(PBC)と抗ミトコンドリア抗体、M2抗体」菊池健太郎 他
・PBCで抗ミトコンドリア抗体陽性率85-90%、M2抗体95-98%。陰性例も存在する。

アンフィニー2018年春号

アンフィニー2018年春号
読後メモ

・診療看護師(ナースプラクティショナー)のメリット
①外科医の手術中にNPが検査結果をみて、行動するか指示を仰ぐかできる
②「患者の時間の流れ」に沿った対応ができる

・NPにならないNsには「ルールアウト」の考えがなかった

日本病院総合診療医学会雑誌 2017年第3号

日本病院総合診療医学会雑誌 1711

読後メモ

イレイス様症状で入院した化膿性脊椎炎の2例
・消化器症状と化膿性脊椎炎というのは興味深い
・ただ、イレウス、と診断したという割にはその初期の診断根拠の提示がない。おそらくはイレウスと診断に足る根拠の所見がなかったのだろう
・どちらも、その後出現した腰痛を根拠に診断に至っている
・診断に至っていない時は、診断に至っていないという姿勢で臨床を継続することが大切なのだろう

免疫抑制薬内服中にLudwig's anginaを発症した一例
・すぐに造影CTを取るつもりになったその動きを真似したい

精神科病院における病院総合診療医の役割
・メタボリック症候群とやせのモニタリング、非刺激性下剤の調整、QT延長の感知と調整、高プロラクチン血症とリチウムの甲状腺・副甲状腺への副作用の確認、加療内服の紹介、窒息の解除、頭部・顔面裂傷の治療、敗血症、肺炎、骨折、心筋梗塞、脳血管障害、院内感染対策、栄養療法
・一臨床医のの意志の私見をまとめたものとして、価値がある。

ダイヤモンドの、技術的に先行した中国をヨーロッパが追い越した理由は地形だ、を読んでみて

Jared M. Diamond:Peeling the Chinese onion, Nature 391, 433-434 (29 January 1998)

を読んでみた。昔はダイヤモンドの説をよんで目が開いた気がしたけれど、今読むと虚構が眼に止まる。以下感想。

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中国は1つの帝国、欧州は様々な国に割れていたから、欧州はゆっくりと発展し中国を超えた、と。それは地形の問題だった、とダイヤモンド。

しかし欧州にも大きな川はある。
http://ameblo.jp/worldhistory-univ/entry-11962371284.html
日本人の感覚では欧州は平坦な地が多い。
中国にも山は多い。三国に割れたように。
現状を知らない人たちに向けて論を重ねた印象を受ける。

欧州はキリスト教により支配され、現代もまだ支配されているという点は(あえて?)無視している。各王朝は婚姻関係で繋がった親族でもあったことも無視している。キリスト教の宗教の圧迫が発展を1000年とどめた。しかしイスラムからの異なる文化の風がそれを払った。

人口の数は欧州も中国も5000万弱だったのが、16世紀をこえたあたりから爆発する。中国には特殊な発明はあっても、本質的な技術革新は両者に同時に起きていたと考えられる。
欧州の人口の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/9010.html

中国の人口の推移
https://ja.wikipedia.org/wiki/中国の歴史


本質的な技術革新の波と、宗教の支配・抑圧からの開放が同時期に起きたため、欧州は競争に一歩勝った、印象を受ける。

日本内科学会雑誌 2016年10月 105号 

日本内科学会雑誌 2016年10月 105号
トータルケアをめざすアレルギー診療

・"One airway, one disease" 2001年にARIAにおいて提唱された。アレルギー性鼻炎は上気道の疾患だけではなく、下気道と連動。
(Grossman J, Chest 111:11s-16s,1997)
・遷延性咳嗽: 3週間以上持続
・慢性咳嗽 : 8週間以上持続
・アトピー咳嗽 特徴: 咽喉頭の異常感・掻痒感、咽喉頭アレルギー、喘息と異なる中枢気道のアレルギー疾患。抗ヒスタミン薬が有効、気管支拡張薬は無効(気管支平滑筋の収縮は来さないため)、鼻茸を摘出すると尿中ロイコトリエンE4が減少する。副鼻腔炎・鼻茸に対する積極的な治療が病態的にも臨床的にも重症喘息を改善する可能性がある
・成人発症喘息・中高年・女性・副鼻腔炎・鼻茸: アスピリン喘息の可能性。ロイコトリエン受容体拮抗薬が有効(アラキドン酸の代謝経路に異常がありロイコトリエンが過剰産生) 
・アレルギー性鼻炎 10-40%に喘息の合併、喘息の半数以上にアレルギー性鼻炎の合併
・アレルギーマーチ
・免疫療法。レスポンダーとノンレスポンダーとにわかれる

・アトピー性皮膚炎、合併症: Kaposi水痘様発疹症、伝染性膿痂疹、白内障、網膜剥離。小児では伝染性軟属腫。長期にわたるアトピー性皮膚炎で顔面の皮疹が急激に悪化した際に見られることが、カポジ・伝染性膿痂疹には多いが自覚なく進行することも有る

・コリン性蕁麻疹: 入浴・運動・精神的緊張など、発汗刺激により起こる。個々の皮疹は小豆大程度、痒みよりチクチクした痛みを伴うこともある

・近年、食物やダニへなどへの感作は乳幼児のバリア機能の未熟な皮膚を介して成立する可能性が示され、乳児に十分なスキンケアをすることによってアレルギーマーチの進行を抑制できるかについての研究が行われている
・以前は、小児喘息の多くは思春期までに寛解すると考えられていたが、長期間にわたるコホート研究の結果が明らかとなり、以前考えられていたほどの率で寛解するわけではないことが明らかになってきた。
・オランダで小児喘息を30年フォローした研究では、真の寛解は全体の22%にすぎなかった

・細菌性結膜炎: 乳幼児・インフルエンザ菌などのGNR、学童期・肺炎球菌、年齢とともに黄色ブドウ球菌が増える、性感染症として淋菌
・感染力の強いアデノウイルスによる流行性角結膜炎。耳前リンパ節腫脹・両目・急性濾胞性結膜炎。潜伏期は約1週間。片眼に発症し、数日遅れて他眼に発症。重症で、激しい充血、大量の涙のような眼脂、流涙、眼瞼腫脹などが特徴。

・ステロイド点眼。眼圧上昇を起こす。自覚症状を伴わないため注意が必要。
・眼洗浄。カップ式の洗浄用具は眼周囲の皮膚の汚れや皮膚に付着したアレルゲンをかえって眼表面に接触させる
・春期カタル: アトピー体質の学童、特に男児に好発。上眼瞼の裏の結膜の直径1mm以上の巨大な隆起(石垣状乳頭増殖)や角膜周囲の結膜の堤防状隆起を特徴とする。激しいかゆみ。

・食物アレルギー有病率。2004年2.6%, 2013年4.5%。
・原因食物: 鶏卵・牛乳・小麦の順。学童期になるとエビ・蕎麦がでてくる、聖人では果物・魚類の割合が多い
・特異的IgG抗体検査。食物経口負荷試験の結果と一致しない。原因食品の診断法として日本アレルギー学会では推奨していない。
・陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となる。健康被害の恐れ
・「原因食物でも、症状が誘発されない 食べられる範囲 までは食べることができる」 家族の不安や検査結果陽性だけで必要以上に除去する食物を増やさないことが重要

・食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA
・原因物質: 小麦が最多。他は、トウモロコシ、オレンジ、鶏肉、人参、などでも。組み合わせで症状が誘発される例もある(「小麦とリンゴ」)

・抗IL-5抗体 メポリズマブ。2016に臨床に導入。
・抗IL-5抗体は2000年に発表され試験された頃は効果がなかったが、好酸球が関与するとかんがえられる重症喘息に絞り込むと効果があった

・ステロイドは粘膜に浸潤した好酸球をアポトーシスさせる。好酸球を遊走させるケモカインの発現も抑制する
・上皮細胞の賛成するTSLP (thymic stromal lymphopoietin)は2型自然免疫細胞(ICL2 cell)を刺激し、Th2サイトカインの産生を促し、好酸球性炎症を惹起する

・自発的に皮疹が出現する蕁麻疹をもたらす特異的IhEの存在は知られていない。特異的IgEが関与する蕁麻疹はアレルギー性または食物依存性アナフィラキシー
・遺伝性血管性浮腫
・ラテックスアレルギー: 天然ゴムのタンパク質へのアレルギー

・アトピーはよほど臨床的に重症でも一般的生化学検査が異常値となることはない→皮疹の観察が重要
・アトピーの7割は、体表の汗に過敏反応を示す。皮膚に常在するマラセチアが分泌する蛋白。アラポートHRT(好塩基球によるヒスタミン遊離試験)が保険適応あり

・ドライパウダー製剤DPI、加圧噴霧式定量吸入器pMDI
・マウスピースかマウスか選択肢

・乳幼児吸入ステロイド、プラセボとの有意差は治療終了後1年で消失する
・抗原が編成しやすいものは新鮮なものをもちいたprick to prickテストが有用。

・喘息治療のステロイド。漸減するメリットはない。

・ALSの5%は常染色体優性遺伝

脳梗塞に対する抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)のエビデンス

脳梗塞に対する抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)のエビデンスを確認する。主な試験は以下3つ。

●FASTER (Lancet Neurol 2007;6:961)
試験形式・期間:double-blind RCT. 2003/3~2006/12
場所:イギリス
対象:軽症脳梗塞(TIA or NIHSS ≦3), 376人を解析
試験内容:aspirin(loading 162mg、その後81mg)に次ふたつのいずれかを加えた。①clopidogrel(プラビックス、loading dose 300mgその後75mg) or 偽薬、②simvastatin 40mg or 偽薬、90日間内服
primary efficacy outcome: 90日目までの脳梗塞または脳出血の有無
safety outcome(clopidogrel): 90日目までの出血の有無
結果: ①clopidogrel 内服有無で有意差なし、②simvastatin 内服有無で有意差なし
副作用:clopidogrelで出血リスク上がる

●EARLY (Lancet Neurol 2010;9:159) 
試験形式・期間:open-label RCT. 2007/7~2009/2
場所:ドイツ(標準治療はアスピリン 100-300mg)
対象:脳梗塞(NIHSS 5~20), 527人を解析
試験内容:①aspirin 50mg + dipyridamole 400mg vs ② 最初7日間aspirin 100mgその後①と同様、を90日間内服
Primary endpoint: 90日目の神経機能(tele-mRS)
結果: 7日目・90日目ともに神経機能に有意差なし
副作用: 7日目で①は頭痛・嘔気・嘔吐が有意に多かった

●CHANCE(NEJM 2013;369:11-19)
試験形式・期間:double-blind RCT. 2009/10~2012/6
場所:中国
対象:軽症脳梗塞(TIA or NIHSS ≦3)、発症24時間以内、5170名を解析
試験内容:①aspirin 75mg(loading dose 300mg)+偽薬を内服 vs ②aspirin + clopidogrel 75mg(loading dose 300mg)併用を3週間で以後はclopidogrel 75mgのみ。90日間内服
primary efficacy outcome: 90日以内の新規発症の脳梗塞または脳出血
primary safety outcome: 90日以内の出血イベント
結果: 最初の1週間の脳梗塞再発率は抗血小板薬2剤併用療法群で低かったがそれ以降の再発率は同じ(本文には明記されていないがグラフより明らか)。
副作用: 出血に有意差なし


3つの試験を検討すると
・脳梗塞へのDAPTに関する3つの試験で有効性を示したのは中国発の1つのみ。それ(aspirin+clopidogrel)は3週間で1剤(clopidogrel)に減量しており、また効果も最初の1週間以内のみ。
・3週間以上DAPTすると出血リスクが上がる
・長期のDAPTは全死亡率を上げることは別の論文で示されて(Twelve or 30 Months of Dual Antiplatelet Therapy after Drug-Eluting Stents NEJM 2014; 371:2155-2166)
・したがって、脳梗塞超急性期を超えてDAPTを続けることは意義はなく、リスクを上げることが現時点でのエビデンス

『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』森川すいめい

『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』森川すいめい
http://amazon.jp/o/ASIN/4791769317/

気になったところメモ。

・これまでの自殺に関する研究は、自殺の原因が何かをしらべ、リスクの高いひとがどのようなひとかを明らかにしていくことに力が入れられていた。確かに、十分な研究がなかったときに比べると、ひとを助けていくための対策がずいぶんできたように思う。
・ただ、現場にいるひとたちにとっては何かが足らない気がしていた。
・精神科の診療は丁寧に行えば行うほど赤字経営になる。
・カウンセリングに診療報酬はつかないので自費で受けるしかない。カウンセリングにかかる費用は、もらう側としては小さいが払う側としては高額だ。
・「うつ病」…その状態にある人を発見することと、発見したら精神科につないで診断を受けさせて薬を飲ませるという流れが本当にひとを助けるのかは誰もわからない。
・原因がうつ病だとしたときに、それを解決する手段の確かさを明らかにできないのである。
・現場にいるひとたちは肌で感じている…薬だけで助かるわけではない

・自殺希少地域
・「人間関係は、疎で多。緊密だと人間関係は少なくなる」

・支援活動はやりっぱなしになりうる。指針がなければ感情が判断基準になる。何が正しいのかを学ばないまま行う活動はただの偽善になるかもしれない。間違った善を押し付けてしまい、かえって不幸を生み出すかもしれない。研究の仕方を知らなければ、自分の考えに合う資料ばかりに目を通してほかの真実を無視してしまっていることに気付く手段がない。
・現場にいながらも勉強…本当の意味の研究
・感情を、パッションを、しっかりと整理する

・「自殺対策は、予防と防止とに分けて考えるとよい」
・ごちゃまぜの議論はまとまらないし、声の大きいひとの意見が優先されてしまう。

・誰もがつい自分ができることをしようとしてしまって、本人にとって何がいいのかをあまり考えなくなることがある。
・やみくもに自分の正しいと思う考えを通さない…相手あっての支援である。相手の困りごとに基づいたニーズを明らかにしなければならない。

・互いによくコミュニケーションをとっている地域は治安が良い。
・都会育ちの私は、個人情報が保護されるとか、プライバシーが守られるとか、そういうものが生きる上で大事なことなのだと教えられてきた。

・ただベンチがあればいい。
・(都会には)金を払って座る場所以外の場所に座る場所がない。…座りたいひとを大事にしなくても町が成り立つようになった。それはつまり、老人をいないことにした都会を作ってしまったということだ。

・ひとりがさみしいと話しながらも、ここで生きていくのだという覚悟を感じた。その覚悟を支える周りのひとがいた。

・現代の労働システムはまだ都会に仕事を集中させたほうが効率はいい。

・「病、市(いち)に出せ」
・内にためず、どんどん市、自分の住む空間に出しなさいという教訓。

・助け…それはお互いにずいぶん自然に始まり自然に終わる。
・障害をもっていたとしても区別しなくていい
・仕方がないこととは思わない。自分たちで何とかできたのではないかと思っている。

・ひとが生きにくくなった原因のひとつは、意思決定を事務所で行わざるを得なくなるような組織の大きさを作ってしまったことにある。

・組織にはいろいろなメンバーがいるから、いろいろな知識がそこに集まる。たいていのトラブルは対話によって解決する。

・地域のグループの2つのタイプ。…問題があることを前提に問題があったときに動く組織と、問題が起こらないように見守るための組織だ。
・後者が圧倒的に多い。それは管理や監視が強い。規則も多い。何か問題が発生したときの問題解決能力は弱い。問題が解決したあとで再び問題が起こらないようにまたルールが生まれる。
・社会は常に変化する。綿密に作られたルールはあっという間に陳腐化する。ルールそのものが組織の機動性を奪い組織存続を危うくする。
・変化に対応することを主眼とする組織はルールは最小限。ルールは機動力を下げると知っている

・多様性に慣れている地域は、ひとはそれぞれだと思うことに慣れている。
・「結局、みんな知り合いだから、力加減がある」
・近所との深いつながりは多くはなく、しかしたくさんの知り合いがいる。ゆえに孤立もしない。
・「派閥があると生きづらいんですよね」
・自殺で亡くなるひとの少ない地域のひとは相対的に自分の考えをもっている。…ひとは自分の考えをもつと知っている。

・「工夫」の力
・認知症をもつひとの診療…そこで思うのは、家族や周囲のひとの工夫力の差である。

・「できることは助ける。できないことは相談する」

・コミュニケーションは上手下手ではなく慣れるもの

・答えは現場にある。その現場で意思決定があるかどうか。

・近所づきあいは軽い。軽いのだけど「困りごとは軽く解決できる」。
・ひとを助けるのにおいて相手の気持ちをあまり気にせずに助けようとする態度

・現場で決めていいことを現場で決めるから、たいていはうまくいく。

・対話を続ける

・「オープンダイアローグ」…もっとも重要なもののひとつが「即時に助ける」

・ひとが、中心なのだ

・オープンダイアローグは「ひとの間にある関係」が病の発症原因だと決めた。

・相手に同調することはない。自分は自分であり他人は他人である。その境界がとても明瞭であるというのである。

・自殺希少地域のひとたちは対話する
①困っているひとがいたら、今、即、助けなさい
②ひととひとの関係は疎で多
③意思決定は現場で行う(柔軟かつ機動的に)
④この地域のひとたちは、見て見ぬふりができないひとたちなんですよ(責任の所在の明確化)
⑤解決するまでかかわり続ける(心理的なつながりの連続性)
⑥なるようになる。なるようにしかならない(不確かさに耐える/寛容)
⑦相手は変えられない。変えられるのは自分(対話主義)(「この島のひとたちは、ひとの話をきかない」)

・自殺希少地域が幸せに満ちた場所科どうかはわからない。
・ただ確かなのは、ひとが自殺に至るまでに追い詰めたり孤立させたりするようなことはとてもとても少ないということである。完璧なことはないのだとしても。
・追い詰めたり孤立させたりしないことはできるということは確かだと思う。








『人工知能時代の医療と医学教育』高橋優三

『人工知能時代の医療と医学教育』高橋優三
http://amazon.jp/o/ASIN/4884123921/

気になったところメモ。

・診断に関しては、将来的に人工知能が優位となるのは、明らかである。
・薬剤師が現在行っている機械的な調剤業務は、ロボット化される。
・医師という職能集団がこれからも社会で必要とされるためには、若者の頭脳を硬直的にしやすい即戦力訓練よりも、時空を超えて個人的・社会的な変化に対応できる人材育成という意味で、柔軟性の有用性に注目する。
・医師には賞味期限というものがある
・日本の場合、医学部では主に医科学を教え、医療技術は、医師になってから身に着ける
・アメリカの場合は、科学者として育った学士に対して、大学院で医師という職業人育成教育を施す
・21世紀になってから本格化した日本の医学教育改革の考え方の基本は、…即戦力と柔軟性の両立である。
・電卓が普及してから、筆算を小学校でどのように教えるのかの議論に似たところ
・近未来的には、病院が医療の独壇場で、かつ医療が病院内で完結する時代は終焉する。
・従来の医師の役割をAIが担い、患者がかなりのレベルまで自己治療ができる段階に発達する
・人間医師は新たな役割を模索せねばならない
・AIが発達すれば人間の役割は、人間でないとできない仕事に特化する
・何が人間医師でないとできない仕事なのか?
・人間医師の仕事とAI医師の仕事の分水嶺は、「決断」である。決断と判断は異なる。
・人が決断をためらうのは、責任を取る、つまり自己が失うものがある、からである。
・人間の脳が大きく機能改善し発達したのは、情報不足でも何らかの結論を出せるような仕組みを得たからである。
・そのトレードオフとして正確無比が要求される単純作業の繰り返しは苦手になった。
・医師-患者関係では、信頼が最重要
・医学教育を変えてしまうウェアラブル機器
・AIと通信機器の発達で、"適切な能力を、適切な発達時期に、個別に開発する"教育基盤ができている。
・人との触れ合いによる教育機会の確保である。人は人と接して人となる。教育の機会化が進めば進むほど、手本になるような教員と共通の時間を持つことの重要性が再認識されるはずである。
・抽象的思考が大切

・患者と医療従事者が常時繋がっていることは困難である

・経験によるひらめき から 人工知能による支援を受けた診療 へ
・医師は直感を診断の判断材料としていることが少なくない。…残念ながらこれらは電子診療録には載らない。
・(AIは)過去情報の集約による次の一手(を示す)

・現行の電子カルテは情報の利用については考えられることなく導入された。解析利用するまでに、マッピング、データクレンジング等などの前処理だけでも多大な労力

・医師は何をする人なのか、医師の職業的アイデンティティが根本的に問い直される。
・本来の生涯教育は、良いパフォーマンスを発揮して、患者や地域によい健康アウトカムをもたらすために実施するもので、業績をつくることと混同されるべきではない。
・意識変容学習。…それまで自分が当然と思っていたことを疑い、学んできたことをアンラーニングする…一人で実行することは極めて困難で、そのためのファシリテーターと仲間が必要である。

・個別の文脈に配慮できて曖昧さにうまく対応できる医師のニーズは高まる

・通信の主体は音声からテキストに変わり、売買の現場は商店からインターネット上へと移った。
・情報の流通が変化する以上、「対面診療」や「医療圏」に代表される空間的制約に基づいて作られてきた概念は変化せざるを得ず、大量データが押し寄せる状況になる以上、情報の解釈を医師以外の職種や人工知能に預けざるを得ない。

・ある頻度で起こる現象を正しく記録するためには、その倍以上の頻度で計測しなければならない
・有るデータを受け取ったときの情報量は、その人がなにを知っているかに依存する。
・その情報の解釈には極めて高度な知識が要求される。

・「患者にとっての健康」が図られるようサポートすること
・対話を通じて、患者の置かれている環境を捉え、そこに存在する患者にとっての価値を見つけ出すのは、医師に求められる役割である。

・医師の指示で動くといった縦割りが習慣化される前に、IPE(専門職連携教育 InterProfessional Education)を通じて、学生のうちから、多職種が協働しあえる基盤を形成することが重要である。
・①相手を尊重できる、②「誰が正しいか」ではなく、「何がただしいか」…課題解決志向、③感情的しこりを解決…コミュニケーション、④それぞれのタスクを明確化し、補完しあえる

・最初の検査前確率を設定した上で鑑別疾患を網羅…ロボットにとってはたいへん親和性のあるプロセス
・言語化できない「あやしい感じ」は、むしろロボットによって明確に解析される可能性が強い。

・複雑で多元的な情報を患者にすべて提供していくことは、…患者に対して混乱を招く可能性が高い。
・あいまいな情報をプラットフォームとしながら、患者と医療者はつながっているのだ。

・「患者のナラティブに耳を傾ける」…患者の意見を否定せずに単に時間をかけて「話を聞いてあげる」ことにとどまっているものは、逆効果である。なぜ専門家は患者の体験を体験として理解する必要があるのか。それは、あらかじめ専門家の中に患者のストーリーがセットされてしまっており、専門家としての知識を持ち合わせているからこそ、そのストーリーの範疇を超えられなくなってしまっているからである。
・「患者のナラティブに耳を傾ける」ことの主たる目的は、患者を安心させることではなく、専門家としてどう患者と関わっていくのか、自分が患者という主人公に対してどのような役回りを演じるべきかについて知ることなのだ
・患者側が医療者に求めているものと、医療者が患者側に提供しようとしているものの大きなかい離
(臨床では、患者が求めているものを理解した上であえて無視することはそれなりの頻度で行うスキル)
・認識と感情の揺らぎに配慮しながら支援を継続する能力
・一見物事がうまくいってそうなときこそ、実は患者が医療者に対して自分の問題を言い出すことができず、途方に暮れているときかもしれない。
・医師のみで行われるカンファレンスは、医師の均一な価値観と文脈の中で話が進んでいってしまう。その価値観の中で議論さっる内容に慣れ過ぎてしまうと、医師独特の価値観に違和感を覚えないようになってしまう。
・客観的情報を収集し分析することは、おそらく今後ロボットが行うことになる
・生身の医療者により必要となるスキルは、患者の「言葉」の背景にある文脈を読み取る能力であり、自分が発する「言葉」の背景にある自分自身の文脈を読み取る能力である。

・ディープラーニング、ビッグデータ、音声認識ロボットなどの人工知能技術の目覚ましい進歩がマスコミを賑わしているが、著者はAI研究としての魅力を感じない。人間の(自然)知能の複雑さを重視した60年前のAI研究の根源的テーマである常識(コモンセンス)の研究が抜け落ちているからである。
・容量の悪い人は、頭の中に批評家が大勢いて、それらの細かな意見を多数聞いてしまい、判断が遅くなる。
・「誇り」や「恥」という気持ちが、人間固有の価値観や目標を形成する上で特別な役割を果たす

・国際化、もっともらしい。誰も反対しにくいが、何をもって国際化と呼ぶのか、不明のままである。

・無書面の診療契約
・病歴の言語化
・診察所見の言語化

ペニシリンアレルギー歴と聴取されても95%は使える

ペニシリンアレルギー歴と聴取されても95%は使える (Solensky R : Allegy to β-lactam antibiotics. J Allergy Clin Immunol 130:1442.e2,2012)

気になったところメモメモ

背景:
ペニシリンアレルギーは 5-10%いるとされる。しかしその中の95%は問題ない。理由:
1)アレルギーと間違えられた
2)疾患の症状または疾患と抗菌薬の反応だった
3)ペニシリンに対するIgEは(常ではないが)時間とともに減少する

ペニシリン皮内テスト:
ペニシリンG 1万U/ml
AMPC, ABPC 3-25mg/ml ~ただ、決定された量ではない

ペニシリンアレルギーの病歴について
・SJS, TNE, 間質性腎炎、溶血性貧血、などのIgEを介さないアレルギーは皮内テストはするべきではない
・そうでなければ皮内テスト適応あり

セファロスポリンとの交差反応
・交差反応を起こすのは3%
・皮内テスト陰性ならセフェム使える
・皮内テストしていなければ、病歴をかんがみて注意して使用
・ペニシリン皮内テスト陽性なら、徐々に増量又は脱感作
・AMPC, ABPCアレルギーあるなら、10-38%でセフェム交差反応あり、セフェムもひかえるべき

カルバペネムとの交差反応
・知見は少ない

セフェムアレルギー
ペニシリンの1/10、
βラクタムへの反応は少なく、側鎖への反応 →他のセフェムは使えることがほとんどだが、知見は少ない。皮膚テストはできるが、感度・特異度は不明。前回の反応の度合いを考えながら注意して行う。

他参考になるのは:
Up to date : Cephalosporin-allergic patients: Subsequent use of cephalosporins and related antibiotics
Clinical Infectious Diseases 2014;58(8):1140–8

などなど

「レジデント 2016 No.1 ”かぜ”くらい診られますよって本当ですか?」

「レジデント 2016 No.1 ”かぜ”くらい診られますよって本当ですか?」
http://www.igaku.co.jp/resident/resident_1601.html


気になったところ読後メモ。それぞれの知識のもと文献検索はぜひ本稿から。

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岸田直樹
・風邪症状に対する抗菌薬の予防効果。4000人に一人。副作用で救急外来を受診する薬は抗菌薬が最も多いという報告あり

永田理希
・血管運動性鼻炎: 温度差や気圧差での鼻炎
・副鼻腔炎,成人で片側性だと,歯性上顎洞炎,真菌性上顎洞炎,悪性腫瘍,解剖学的易片側性上顎洞炎
・X線。副鼻腔が未発達な6歳以下ではメリットのほうが少ない。成人で透過性が不明瞭なら抗菌薬不要と判断すればいい
・圧痛の感度は50% ほど
・ワイドシリンは力価が倍で味もよい
・バイオアベイラビリティ。AMPC 90%, CDTR-PI 14%
・もともと風邪を治すのは,医者でも薬でもない
・抗菌薬処方phaseなのか抗菌薬不要phaseなのか見極める
・「説明書方:0円」は必ず処方すべき

青木達也
・喉頭蓋炎。喉頭蓋の肥厚所見は感度特異度ともにそこまで高くない。舌骨後ろの喉頭蓋谷の消失所見は感度98.2%,特異度99.5%という報告あり
・急性喉頭蓋炎では臥位によって腫脹した喉頭蓋が背側に落ち込み気道閉塞をきたす危険があるためCTは禁忌
・扁桃周囲膿瘍。開口障害が重要な病歴。炎症で口蓋筋が刺激されるためおこる
・どう対処すべきか施設内ルールがあることが重要。各担当医や施設を守ることにつながるのではないだろうか
・modified Centor criteria。4点以上でも可能性は50%。1点10%程度,2点20%程度,3点30%程度
(クライテリアで何点だから抗菌薬,という診断思考のステップを省いてる現場は多い気がする…)
・伝染性単核球症。後頸部リンパ節がポイント。脾腫,リンパ球上昇,異型リンパ球,肝障害。

玉井道裕
・多発性骨髄腫での液性免疫低下
・インフルエンザ感染直後の黄色ブドウ球菌肺炎,肺炎球菌,インフルエンザ菌
・庭仕事や腐葉土を扱ったあとのレジオネラ肺炎
・結核初期に誤ってニューキノロンを投与し診断が遅れると,死亡リスクが1.8-6.9倍増加するという報告あり
・抗菌薬導入以前は,肺炎球菌性肺炎の死亡率は20%強だった
・成人で高熱をきたすウイルスはインフルエンザ,アデノウイルス,ヘルペスウイルス,麻疹ウイルスなどの一部のものに限られる
・高齢者は発熱のない肺炎はありうる。呼吸数に注目する
・気管支炎は,原因微生物を特定することは臨床的に困難であるが,疫学情報は非常に参考になる。ウイルスは施設内集団感染はありうる
・百日咳「咳込んだ後の嘔吐」「吸気性笛声」「発作性の咳」「家族内発症」
・マイコプラズマは気管支壁を主に侵し,クラミドフィラは気管支と肺胞を侵し,レジオネラは肺胞をメインに侵す。マイコプラズマとクラミドフィラは自然軽快することが多い。健康な成人の気管支炎にはりーちんでの抗菌薬投与は不要。悪化した場合に重大な転機になりそうな患者には,気管支炎であっても抗菌薬投与が必要
・「我々の仕事は,考えることではなく,決断である」。正しい決断ができるように一例一例大切にしていきたい

亀井三博
・自分のおかれた診療環境の中でどうしても気管支喘息という診断を下したくなり,ひょっとしたら自然経過で治るかもしれない咳に対してステロイド吸入を投与してしまっているかもしれないと自戒する今日このごろである
(どう病歴を聞いても気管支喘息の診断の根拠がわからず,呼吸機能検査もしたことがない患者がステロイド吸入していることがあるが,そこにも悩みがあるのかな…)
・長引く咳。今までに経験した事態であるとすれば気管支喘息などアレルギー性疾患の可能性を高くする
・職業上の暴露も重要。うどん屋さんの小麦なども
・長引く咳は必ず結核を否定する
・呼吸機能検査。感染後咳症候群でも一時的に閉塞パターン(下に凸)を示すことはある
・咳喘息といえどもやはり喘息であると筆者は考える
(そうなのかな?死なない咳をそう考えてもいいのかな?)
・生活に支障をきたす咳をみたら百日咳を考える
・長引く咳の原因が必ず治るものと伝えるためにマイコプラズマや百日咳の証拠をつかもうとしている。必ずしもプライマリ・ケアで必須ではないと考える
・結果が予想の道筋を外れているときは,常に結核の可能性を再検討する

荘司貴代
・新生児期の発熱は10%前後で重症感染症
・百日咳ワクチン。3回接種で培養陽性となる重症例を7割減少させる
・Hib/PCV接種がされていて,明らかな上気道症状やシックコンタクトがない早期乳児の発熱は,侵襲性GBS感染症と尿路感染症を考える
・侵襲性GBS感染症。生後7日までが早期型。それ以降が遅発型でほとんどが生後3ヶ月まで。早期型は分娩時ペニシリン予防投与で減少した
・尿路感染は「尿が臭う」と発見されることあり
・原因がはっきりしないぐったり感があれば,常に心筋炎を念頭に置く
・乳幼児では鼻のサイズに見合わない大量の鼻汁がでる。未発達な上顎洞の開口部が広く鼻腔と一体化しているため
・軽症・中等症の副鼻腔炎や急性中耳炎における抗菌薬治療のメリットは低い。自然治癒する。外科小児科学会や米国小児科学会のガイドラインでは自然治癒を待つ対象と抗菌薬治療対象を明確にしている
・溶連菌咽頭炎。無症候性保菌でも迅速検査陽性となる。保菌者のウイルス性上気道炎は臨床診断で鑑別する。溶連菌咽頭炎では,特徴的な咽頭所見と細菌毒での頭痛,皮疹,下痢のない腹痛がある。3歳以下では溶連菌性咽頭炎の症状は非特異的になるが,リウマチ熱の発症もないため積極的な検査診断は推奨されていない

柴田綾子
・妊婦のred flag。下腹部の生理痛のような絞られる痛み。破水感。性器出血。体動減少(30分以上まったく感じない時は異常)
・妊婦・褥婦はGASの感染リスクが20倍。特に分娩4日以内の褥婦。死亡率は60%。高熱を伴う上気道炎症状,下腹部痛や子宮収縮。
・胎児への影響がある感染症。パルボウイルス。風疹(IgMは4日目で全例陽性,数カ月後に陰性化)。リステリア(冷蔵庫内の温度で増殖可能,インフルエンザ様症状・消化器症状7%,無症状30%)

藤田崇宏
・高齢者の感染症。施設は病院と違って生活の場であって,感染対策に投入できるリソースには限りがある。病院の医師のなにげない一言で家族と施設の間の信頼関係を壊してしまわないよう,言葉を選ぶ必要がある

今井悠
・インフルエンザワクチン。接種群と非接種群を比較して,死亡回避率82%,発病予防は34-55%。6歳未満での発病予防は22-25%

吉川聡司
・ABPC/SBTも結核を改善しうる。in vitroで弱い活性有り。高濃度ではPAEさえ認められる。ABPC/SBT投与で改善することは結核の否定にならない
・「風邪に抗菌薬」で肺炎を減らしうるのはNNT=4407との報告あり。他の報告ではNNT=12255,NNH=893。
・診断→治療が西欧医学の原則。診断がつかないままの治療は,間違った経験だけが積まれていることになる
・分類が臨床的に意味があるかどうかを見極める必要はある
・風邪にロキソニン。治癒が遅れるという報告あり
・コデイン。成人でも小児でも効果がないことが確認されている

藤谷好弘
・盲点なのが目。眼球結膜からのウイルスの侵入で感染が成立することが知られている
・うがいの効果。2014年のカナダのRCTでは予防効果は認められなかった
・睡眠時間7時間以下で3倍風邪をひきやすい

『情熱大陸』福田真嗣

『情熱大陸』
農学博士 福田真嗣
腸内細菌のプロフェッショナル
http://www.mbs.jp/jounetsu/


テレビ番組はみのがしたんだけど,2016年2月7日までwebでみれるというので見てみた。

以下はメモ。

日本・中国は脂質を分解する菌が多い →肉 →食の欧米化
タイ・インドネシアは糖質を分解する菌が多い →穀物を食べている

腸内細菌投与で脱毛が起きたマウスの例

力士の腸内フローラ。日本人と平均が変わらなかった。
激しい恵子で腸内細菌が変わる? 同じ食事をしている親方や裏方の腸内細菌は違っていた。
糖質分解細菌が多く,脂質を食べる細菌が少ない。

細菌が同じでも,代謝物は違う可能性ある。

大腸癌と関係ある腸内細菌はいないか?

●感想
東洋医学の古い書を読んでいると生薬として「童便」がでてくる。小児男児の小便だという説があるけれど,新生児の,大人とはまったく違う,きれい,といっても良さそうな便をみていると,やはり新生児の便を薬物として使っていたのではないかと感じる。

抗菌薬投与でぐしゃぐしゃに体調が乱れた患者さんをみていると,どうしたものかと悩む。

もっとまっすぐに手を出せると,いろいろいいことはできそうな気がする。話題の「便移植」。どこまで何ができるとわかってくるか,興味深い分野である。

レジデント 2016 No.1 ”かぜ”くらい診られますよって本当ですか?

「レジデント 2016 No.1 ”かぜ”くらい診られますよって本当ですか?」
http://www.igaku.co.jp/resident/resident_1601.html


気になったところ読後メモ。それぞれの知識のもと文献検索はぜひ本稿から。

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岸田直樹
・風邪症状に対する抗菌薬の予防効果。4000人に一人。副作用で救急外来を受診する薬は抗菌薬が最も多いという報告あり

永田理希
・血管運動性鼻炎: 温度差や気圧差での鼻炎
・副鼻腔炎,成人で片側性だと,歯性上顎洞炎,真菌性上顎洞炎,悪性腫瘍,解剖学的易片側性上顎洞炎
・X線。副鼻腔が未発達な6歳以下ではメリットのほうが少ない。成人で透過性が不明瞭なら抗菌薬不要と判断すればいい
・圧痛の感度は50% ほど
・ワイドシリンは力価が倍で味もよい
・バイオアベイラビリティ。AMPC 90%, CDTR-PI 14%
・もともと風邪を治すのは,医者でも薬でもない
・抗菌薬処方phaseなのか抗菌薬不要phaseなのか見極める
・「説明書方:0円」は必ず処方すべき

青木達也
・喉頭蓋炎。喉頭蓋の肥厚所見は感度特異度ともにそこまで高くない。舌骨後ろの喉頭蓋谷の消失所見は感度98.2%,特異度99.5%という報告あり
・急性喉頭蓋炎では臥位によって腫脹した喉頭蓋が背側に落ち込み気道閉塞をきたす危険があるためCTは禁忌
・扁桃周囲膿瘍。開口障害が重要な病歴。炎症で口蓋筋が刺激されるためおこる
・どう対処すべきか施設内ルールがあることが重要。各担当医や施設を守ることにつながるのではないだろうか
・modified Centor criteria。4点以上でも可能性は50%。1点10%程度,2点20%程度,3点30%程度
(クライテリアで何点だから抗菌薬,という診断思考のステップを省いてる現場は多い気がする…)
・伝染性単核球症。後頸部リンパ節がポイント。脾腫,リンパ球上昇,異型リンパ球,肝障害。

玉井道裕
・多発性骨髄腫での液性免疫低下
・インフルエンザ感染直後の黄色ブドウ球菌肺炎,肺炎球菌,インフルエンザ菌
・庭仕事や腐葉土を扱ったあとのレジオネラ肺炎
・結核初期に誤ってニューキノロンを投与し診断が遅れると,死亡リスクが1.8-6.9倍増加するという報告あり
・抗菌薬導入以前は,肺炎球菌性肺炎の死亡率は20%強だった
・成人で高熱をきたすウイルスはインフルエンザ,アデノウイルス,ヘルペスウイルス,麻疹ウイルスなどの一部のものに限られる
・高齢者は発熱のない肺炎はありうる。呼吸数に注目する
・気管支炎は,原因微生物を特定することは臨床的に困難であるが,疫学情報は非常に参考になる。ウイルスは施設内集団感染はありうる
・百日咳「咳込んだ後の嘔吐」「吸気性笛声」「発作性の咳」「家族内発症」
・マイコプラズマは気管支壁を主に侵し,クラミドフィラは気管支と肺胞を侵し,レジオネラは肺胞をメインに侵す。マイコプラズマとクラミドフィラは自然軽快することが多い。健康な成人の気管支炎にはりーちんでの抗菌薬投与は不要。悪化した場合に重大な転機になりそうな患者には,気管支炎であっても抗菌薬投与が必要
・「我々の仕事は,考えることではなく,決断である」。正しい決断ができるように一例一例大切にしていきたい

亀井三博
・自分のおかれた診療環境の中でどうしても気管支喘息という診断を下したくなり,ひょっとしたら自然経過で治るかもしれない咳に対してステロイド吸入を投与してしまっているかもしれないと自戒する今日このごろである
(どう病歴を聞いても気管支喘息の診断の根拠がわからず,呼吸機能検査もしたことがない患者がステロイド吸入していることがあるが,そこにも悩みがあるのかな…)
・長引く咳。今までに経験した事態であるとすれば気管支喘息などアレルギー性疾患の可能性を高くする
・職業上の暴露も重要。うどん屋さんの小麦なども
・長引く咳は必ず結核を否定する
・呼吸機能検査。感染後咳症候群でも一時的に閉塞パターン(下に凸)を示すことはある
・咳喘息といえどもやはり喘息であると筆者は考える
(そうなのかな?死なない咳をそう考えてもいいのかな?)
・生活に支障をきたす咳をみたら百日咳を考える
・長引く咳の原因が必ず治るものと伝えるためにマイコプラズマや百日咳の証拠をつかもうとしている。必ずしもプライマリ・ケアで必須ではないと考える
・結果が予想の道筋を外れているときは,常に結核の可能性を再検討する

荘司貴代
・新生児期の発熱は10%前後で重症感染症
・百日咳ワクチン。3回接種で培養陽性となる重症例を7割減少させる
・Hib/PCV接種がされていて,明らかな上気道症状やシックコンタクトがない早期乳児の発熱は,侵襲性GBS感染症と尿路感染症を考える
・侵襲性GBS感染症。生後7日までが早期型。それ以降が遅発型でほとんどが生後3ヶ月まで。早期型は分娩時ペニシリン予防投与で減少した
・尿路感染は「尿が臭う」と発見されることあり
・原因がはっきりしないぐったり感があれば,常に心筋炎を念頭に置く
・乳幼児では鼻のサイズに見合わない大量の鼻汁がでる。未発達な上顎洞の開口部が広く鼻腔と一体化しているため
・軽症・中等症の副鼻腔炎や急性中耳炎における抗菌薬治療のメリットは低い。自然治癒する。外科小児科学会や米国小児科学会のガイドラインでは自然治癒を待つ対象と抗菌薬治療対象を明確にしている
・溶連菌咽頭炎。無症候性保菌でも迅速検査陽性となる。保菌者のウイルス性上気道炎は臨床診断で鑑別する。溶連菌咽頭炎では,特徴的な咽頭所見と細菌毒での頭痛,皮疹,下痢のない腹痛がある。3歳以下では溶連菌性咽頭炎の症状は非特異的になるが,リウマチ熱の発症もないため積極的な検査診断は推奨されていない

柴田綾子
・妊婦のred flag。下腹部の生理痛のような絞られる痛み。破水感。性器出血。体動減少(30分以上まったく感じない時は異常)
・妊婦・褥婦はGASの感染リスクが20倍。特に分娩4日以内の褥婦。死亡率は60%。高熱を伴う上気道炎症状,下腹部痛や子宮収縮。
・胎児への影響がある感染症。パルボウイルス。風疹(IgMは4日目で全例陽性,数カ月後に陰性化)。リステリア(冷蔵庫内の温度で増殖可能,インフルエンザ様症状・消化器症状7%,無症状30%)

藤田崇宏
・高齢者の感染症。施設は病院と違って生活の場であって,感染対策に投入できるリソースには限りがある。病院の医師のなにげない一言で家族と施設の間の信頼関係を壊してしまわないよう,言葉を選ぶ必要がある

今井悠
・インフルエンザワクチン。接種群と非接種群を比較して,死亡回避率82%,発病予防は34-55%。6歳未満での発病予防は22-25%

吉川聡司
・ABPC/SBTも結核を改善しうる。in vitroで弱い活性有り。高濃度ではPAEさえ認められる。ABPC/SBT投与で改善することは結核の否定にならない
・「風邪に抗菌薬」で肺炎を減らしうるのはNNT=4407との報告あり。他の報告ではNNT=12255,NNH=893。
・診断→治療が西欧医学の原則。診断がつかないままの治療は,間違った経験だけが積まれていることになる
・分類が臨床的に意味があるかどうかを見極める必要はある
・風邪にロキソニン。治癒が遅れるという報告あり
・コデイン。成人でも小児でも効果がないことが確認されている

藤谷好弘
・盲点なのが目。眼球結膜からのウイルスの侵入で感染が成立することが知られている
・うがいの効果。2014年のカナダのRCTでは予防効果は認められなかった
・睡眠時間7時間以下で3倍風邪をひきやすい

論文メモ。脾臓と好塩基球と

論文眺めていたらふと気になったことをメモ。


脾臓の謎 起源と進化,田中康一
・脾臓,すべて間葉系組織からなる
・開放系循環路や動脈末梢の莢構造など,他の組織にはない特異な構造も見られる
・形態の多様性と昨日の不明確さ。「謎の臓器」

・両生綱と鳥綱の発生での研究。胃動脈に門脈が形成されるとき,静脈の発生母地となる造血組織として生じたと結論。もっとも原始的なのはヤツメウナギの中腸造血巣。「浦-三木の仮説」
・哺乳類でははじめから独立脾として発生し,門脈との直接関係も不明瞭

・無顎動物。中腸に造血巣,脾臓の原子形態と推測される。メクラウナギ類の造血巣は消化管壁内静脈に接して散在。ヤツメ類は中腸皺壁内の腸内動脈に沿って集合性に発達する。ヤツメ類造血巣は幼生にのみみられ,変態時に消失し静脈が形成される。この静脈の血管内皮の連絡は疎で,哺乳類骨髄の洞様血管内皮に類似。

・現生脊椎動物のもっとも未分化な原始的な脾臓は肺魚類の消化管壁内にみられる。腸脾。肺魚は変態しないので発育過程で消失しない。生涯を通じて明らかな造血器。
・腸脾は肺魚以外の現生脊椎動物にはみられない。ほかの脾臓はすべて消化管外。基本的に閉鎖型循環路を持つ。

・哺乳類脾臓の静脈域はすべて2層性構造。内層由来の辺縁帯,外層由来の赤脾髄。カモノハシ類,モグラ類などには原始型脾臓が見られる。脾・体重比が高く,赤脾髄では活発な造血活動がみられ循環路は閉鎖型。ほかのほとんどの哺乳類では造血機能はみられない
・辺縁帯をもつ脾臓は開放型の循環路。中間帯から静脈が消退して生じた組織帯で,比較解剖学的には免疫機能の進化とは直接の関連はない。辺縁帯の大きさは動物種により大きく差がある。

吉川宗一郎
・好塩基球がマダニに対する耐性の獲得に必須
・マダニは,吸血局所の免疫を抑えつつ,充血,浮腫,出血などを引き起こし吸血を用意にしている
・好塩基球は末梢白血球の0.5%程度で寿命も1-3日程度と短い
・アナフィラキシーの発生率上昇とマダニの流行地域が一致していた報告あり